2014年6月30日月曜日

オンデマンド系、シェアリング系サービスまとめ



今回は、昨今盛り上がりを見せているオンデマンド系のプロダクトについて軽くまとめてみようと思います。※この分野の盛り上がりは年初のエントリでご紹介しました。『AirBnBだけじゃない!シリコンバレーで注目の5つの共同消費型サービス

オンデマンド系のプロダクトとは、必要な時に必要なモノやサービスを手に入れることができる仕組みです(文字通りなんですが)。 例えば、今晩のおかずの材料が今すぐ欲しい!という主婦はInstacartを利用することで、最短で1時間以内に食材を手に入れることができます。

また、最近部屋が散らかってて今週末あたりに掃除をしないとやばい…。でも休みは寝ていたいし、かといってメイドを雇う金もない!という社会人は、HomejoyやHandybookを利用することで、掃除や洗濯を代わりに行ってくれるスタッフを数時間だけ手配することが可能です。

このような仕組みをベイエリアでは、流行り言葉でUberificationと呼ぶ人もいます。(たぶんこのブログがきっかけ?) P2P型のタクシー配送サービスであるUber Xの仕組みがその他のスペースでも応用できるぞ!ということがUberificationと名付けられた由来。

※Uber Xって何?って方はこちらのエントリをどうぞ。『Uberの本質は高級車ではなく、低価格タクシー(uberX)にある

余談ですが、オンデマンド型のサービスは、ユーザーのみならず、働く人(サービスを提供する側)も好きな時に、ちょとした隙間時間で働くことを可能にしている側面があります(※プロダクトによる)。例えば、UberXやLyfyでは、ちょっと遠くに買い物へ出かけるので車を使おうかなといった場合、その前後1〜2時間だけタクシーの運転手としてお金を稼ぐことができるのです。このようにプロを常時雇わないことで低コストでのサービス提供を実現できます。

また、同様に盛り上がりを見せているシェアリングエコノミー型のサービス(AirBnBやGetaround等)も、欲しい時にいつでも欲しいモノやサービスを共有できるという意味で、広義のオンデマンド系のプロダクトに分類されるようです。


さてさて、前置きが長くなりました。では、オンデマンド系のサービスを簡単にご紹介していきます。※PRE Venturesが作成した図表とジャンル分けを参考。面白そうなジャンルだけご紹介。


1、トランスポーテーション


UberLyftSidecar
Uberificationの語源にもなったUber型のプロダクトがこの分野の代表格です。Uberは低価格タクシーのUberXのみならず、UberRUSH(メッセンジャーがオンデマンドで品物を配達)のような物流分野にも感心を見せています。Lyftは、UberXよりも価格が安いことが特徴。Sidecarは、乗車前に目的地を入力することと、乗車する運転手を選べる(価格の比較ができる)ことが特徴です。


ZipcarSilvercarGetaround
カーシェアリング系のサービス。比較的都会で公共交通機関の整っているサンフランシスコ市民は、車は高いし維持費もかかるためあえて購入はせず、必要な時にこの手のサービスを利用する人が増えているそうです。

Zipcarは乗用車からバンのような運送用の車まで幅広車種を揃えています。Silvercarは銀色のAudiをシェアしようといったラグジュアリー路線。Getaroundは、誰でも車の貸し手になることができ、誰でも近所の人の車を安価に借りることができる仕組み。


Parking PandaMonkeyParking
東京などの日本の都市部で生活していると気付き難いですが、米国のような車社会の都市部では、駐車場が見つからない、もしくは駐車場の値段がめちゃくちゃ高い、というのがドライバーの悩みの種です。サンフランシスコでは、場所によっては路駐ができるのですが、競争が激しいですし、有料駐車場の値段もめちゃくちゃ高いのが現状。

そのような問題を解決しようとしてるのが、AirBnBのパーキング版であるParking Pandaや、MonkeyParking。Parking Pandaは貸し手が予め空いているスペースに値段をつけ、その値段を参考にユーザーが駐車場を選ぶ方式。一方MonkeyParkingは、ユーザー側がスペースの持ち主に向けて値段をオファーするビット方式。


HitchRidePal
公共交通機関は不便なので使いたくないけど、タクシーやUberXに乗るお金はない。という消費者向けにその中間となるサービスを提供しているのが、HitchとRidePal。

Hitchは、乗車場所と降車場所を予め入力、その後LyftやSidecarのように車が迎えにくるのですが、相乗り方式で数名の乗客を同時に運ぶことで、UberXやLyftの半額以下の価格で移動できるといったもの。また、RidePalは、通勤や通学用のコミュートをシェアしようといったアイディア。自宅の住所と勤務地を登録すると、指定された日にちに送り迎えをしてくれます。


2、トラベル/ホスピタリティ


AirBnB
言わずと知れたシェアリングエコノミーの代表格AirBnB。空いた宿泊スペースを貸し出すことのできるサービスです。最近では、一部で当日宿泊も可能になりよりホテルに近い形態になってきました。旅行ガイドや手料理を振る舞うオプションも試験中とのこと。


Breather
Breatherは、AirBnBよりも細切れで空いているスペースを貸し出すサービスです。1時間から借りれるAirBnBと説明すると分かり易いでしょうか。ちょっとした仕事場や、くつろぎスペース、デートの用、漫画喫茶の代わりに使用されるイメージ。



3、デリバリー/ロジスティックス

Postmates
レストランやスーパーの商品を何でも最短で1時間以内に配達してくれるサービス。送料は$5〜。夜の時間は送料がめちゃくちゃ高くなります。米国では日本のように多くのコンビニがないので、ちょっとしたものを気軽に買いに行けないのが不便。このような不便を解決しようとしてるのがPostmatesです。


Zipments
配送物の当日配達を可能にするプラットフォーム。アプリからメッセンジャーを呼び出し、配送を依頼できます。依頼した品物をトラッキングできることが特徴。配送料は$9〜。


Shyp
配送を依頼したい商品をモバイルで撮影するだけで、スタッフがその荷物をピックアップしに来てくれ、適切に梱包して発送してくれるといったもの。配送料にプラスして手数料が$5かかります。


Doorman
郵便物の再配達を代行してくれるサービス。米国だと配送会社がいい加減(日本の配送会社がしっかりし過ぎ)で、郵便物を受け取るのによく苦労します。時間指定などあってないようなもので、時には朝の9時〜夜の9時の間に届けますよ!という大胆な指定をしてきます。そんな時に役に立つのがDoorman。ユーザーは配送先をDoormanの住所に指定することで、Doormanが代わりに荷物を預かり、ユーザーの都合の良い時間帯に再配達してくれるといったもの。


WunWun
現在ニューヨーク限定でサービスを提供しているWunWunは、月々$20の会員費を払えば、近くのスーパーやレストランの商品を無料で配達するといったもの。当然どうやって儲けてるの?といった疑問が生じるのですが、商品が売れる毎に、リテイラーとメーカーからマージンを取る仕組みになっているのでビジネスとしては成り立つのだとか。本当かな。


4、フード/ビバレッジ


SpoonRocket
昼食の時間に限定して、弁当を注文から15分以内に配達してくれるサービス。注文が入る前から、車に弁当を積み走り回っていることで、短時間での配達を可能にしているのだとか。


Munchery
一流シェフの料理をデリバリーしてくれるサービス。俺のフレンチ/イタリアンをデリバリーにしたイメージ。一流シェフの料理は並ばないと食べれなかったり、予約が中々取れなかったりと大変ですが、Muncheryを利用することで、食べたい時に一流シェフの料理を堪能することができます。


Instacart
スーパーで販売している生鮮食品や生活必需品を1時間以内に配達してくれるサービス。1回にかかる送料は$5程度。会員は$35以上の購入で送料が無料になります。米国は、コンビニの数が少なかったり、スーパーが遠かったりと、買い物がとことん不便なので、この手のサービスは重宝します。


5、ホームサービス


HomejoyHandybook

掃除や洗濯といった家事を1時間$20で代行してくれるサービス。メイドを雇うほどのお金や動機はないけど、必要な時にだけさっと部屋の掃除をして欲しいという社会人には嬉しいサービス。Handybookは、掃除のみならず、塗装や家具の組み立てなどの家事も手伝ってくれるみたいです。


Washio
オンデマンドのクリーニングサービス。洋服の洗濯が必要になった時に、モバイルでオーダーすると、スタッフが洋服をピックアップしに来てくれるというもの。もちろん仕上がった洋服も届けてくれます。通常の洋服であれば重量に応じて課金$1.60/lb。シャツは1枚毎に$2.75。その他ケアが必要な素材の洋服は1着につき$6〜8の価格設定になっています。


Moveline
引っ越しを安く抑えたい人向けの運送サービス。引っ越しのプロではなく、素人の力持ちを派遣することで費用を安く抑えられるといったもの。単身の引っ越しであれば、少し力持ちで、車が運転できる人であれば、特別な技術はいらないものとしてサービスを提供しています。壊れやすいものが特になく、小規模の引っ越しを検討している人には便利かも。


DogVacay
犬のためのAirBnBです。犬は大好きなのだけど飼う余裕がないという人が、短期で他人の犬を預かることで、ちょっとしたお小遣い稼ぎができるマーケットプレイス。犬を短い期間だけシェアするといったイメージ。


6、ヘルス/ビューティー


zeel
セラピーの資格を持ったマッサージ師を即日で自宅に呼び出すことのできるサービス。60分のマッサージで$115〜130、90分で、$160〜175と少々高め。


GLAMSQUAD
プロのスタイリストに自宅でスタイリングをしてもらえるサービス。事前にサイト上のカタログから希望のヘアスタイルを指定、1回$50で45〜60分で施術が完了するといった流れ。現在は女性用の髪型しかカタログに掲載されていない様子。女の子がパーティー前にお願いする用途で利用されているのかも。


以上、こんな感じで盛り上がっているオンデマンド系、シェアリングエコノミー系のプロダクト。まだまだ、この手の仕組みを適応できるスペースはありそうです。