2014年3月8日土曜日

Uberの本質は高級車ではなく、低価格タクシー(uberX)にある



2014年3月3日に日本でも正式にローンチされた、配車サービスのUber。日本では、高級ハイヤーを配車できるサービスという印象が強いのではないでしょうか。

ただ、サンフランシスコ界隈で生活していると、Uberのサービスの本質は、高級車(Luxury car)の配車ではなく、低価格タクシーの提供にあると感じます。

高級車(ハイヤー)の配車だけがUberではない


 (Uber HPより)

まずは、Uberというサービスのおさらいをしていきましょう。

本場サンフランシスコでは、3種類のサービスが提供されています。高級ハイヤーを配車するUber、低価格タクシーを配車するuberX、既存のタクシーを配車するUberTAXI。

サービスを使う際の欲求をそれぞれ分けてみると…

Uber→ハイヤー(高級車)を簡単に手配したい!
uberX→タクシーを安く利用したい!
UberTAXI→タクシーをボタンひとつで呼びたい!

この3つの中で1番需要があるのは、高級ハイヤーでもなく、タクシー配車でもなく、低価格タクシーなのではないでしょうか。実際に生活していると、uberXやLyftなどは使う機会が多いのですが、ハイヤーの手配は一度もしたことがないですし、したいと思ったこともありません。(※デートや接待を頻繁にする人向け?あとお金持ち)

何が言いたいかというと、日本でuberXがローンチされないうちは、真の意味で日本にUberが上陸したとは言えないのではないかということです。仮にuberXのようなサービスが日本で開始された場合、確実にタクシー産業をDisruptするでしょう。実際にこちらでそれらのサービスを使用してそう感じました。

(※余談ですが、ハイヤー・タクシーの市場って2兆円近くあるみたい。JR東日本の市場規模が2兆円ちょっとなのを考えると中々でかい)


Uberの本質は低価格タクシー



もうちょっとuberXについて、ご説明しましょう。

uberXは、先日紹介したLyftと同様、P2Pのタクシー配車サービスです。

普通自動車の運転免許証と、一定サイズ以上の車を保有していれば誰でもタクシーの運転手になれるというもの。(※簡単な審査あり)

また報酬額も魅力的で、最大で1時間$35(約3500円※)を稼ぐことができます!こりゃ普通のバイトなんかするよりも、車と免許を持っている人はuberXやLyftで稼ぐよね。正直、スマホがあれば、タクシーの運転手なんて特別な能力を必要としませんし。(※報酬は地域、時間帯によって異なる)

一方、タクシーを利用する側もuberXやLyftは魅力的なのです。

米国のタクシー運転手は、サービスの質の悪さで有名。英語が話せなかったり、運転中ずっと電話してたり、運転が荒かったり、ぼったくってきたり…。一方、uberXやLyftの運転手は星5つ満点の評価が4以下になると登録が抹消されるので、みんな質の高いサービスを提供するよう努めます。このような形で、うまくサービスの質をコントロールしていることに加えて、価格も通常のタクシーより割安なので文句ありません。

実際に僕が使用してみた時は、UCバークレーの学生や、弁護士の見習いがスキマ時間にお小遣いを稼ぐ目的で運転手をしていました。皆さん知的で会話をしていて心地よかったです。安いし。

この仕組みが日本で機能したら、我々の生活に相当なインパクトを与えることは間違いないでしょう。一度uberXやLyftを経験したら、二度と通常のタクシーを使用したくなくなります。本当に。

タクシーの運転に第二種運転免許を要求したり、最低価格規制、台数制限などの規制を設けるのはもう時代錯誤なのかもしれません。

規制(役所都合と既得権益)でガチガチのこの産業を、Uber Japanが切り開いてくれるのかどうかに注目しています。Lyftでも良い。

【追記】割り勘もできるんですね↓

【追記】Sidecarも有名どころ↓